伝統再築士資格に関するQ&Aを掲載しています。
ここでも分からない!という方は、こちらのフォームよりお問い合わせください。
伝統再築とはどういった意味ですか
再築とは、伝統構法などの建物が再利用可能であれば再活用する事を指し、伝統再築とは伝統構法の建物を再生する事を指します。移築再生の場合は新築としての扱いとなりますので含まれません。また、再築の場合も確認申請の必要なケースと不要なケースがありますが、申請が必要なケースはあくまで基準法に則り再生が必要です。
伝統再築士で学ぶ内容は確認申請が不要なケースにおいて、法を遵守しながら伝統構法の良さを残す再生方法で再築の為のガイドラインを学びます。
伝統再築士とはどんな資格ですか
建築士の方だけが受講できます。建築基準法では触れられない伝統構法とは何か、またその伝統構法の耐震の方法が学べる内容です。
建築士会などに建築士登録していなくても受講は可能ですか
受講は可能です。受講条件は「一級建築士・二級建築士・木造建築士資格を有している方」なので、建築士試験に合格され建築士番号等を有している方は受講対象者となります。
伝統構法とは何ですか
建築基準法で示されている木造軸組構法は在来工法と呼ばれ、コンクリート製の布基礎に土台が緊結された軸組み工法で、地震の際には建物ができるだけ揺れないように筋違いや火打などの斜材と金物を使用した耐震的(剛構造)ですが、一方の伝統構法は基礎は自然石の上に直接柱を建てる石場建て基礎で差し鴨居や貫などの横架材が地震に対して抵抗しますが、どちらかと言えば揺れて地震の力を逃す免震的(柔構造)の建築物で構造はにているが地震に対しての考え方が真逆のものです。
伝統構法の耐震方法は
詳しくは講習で説明されますが、伝統構法の良さであるゆり逃がしを利用して、その揺れ巾を押さえて建物の損壊を少なくする耐震方法を説明しています。初めに建築構法を在来工法との混構造か、純然たる伝統構法かを特定し、簡易耐震診断や伝統耐震診断などの診断方法を駆使し、それに基づいて耐震補強を検討します。
伝統構法の基礎を知らないのですが大丈夫ですか
講習は初めに伝統構法の特徴を説明し、次に耐震に関しての検討の為のフローと耐震の内容に付いて説明されます。伝統構法をご存じない方でも建築の一般的な知識があれば大丈夫です。
具体的な構造計算まで講習ではおこないますか
講習では考え方を伝える内容で実際の計算などはおこないません。また構造計算も限界耐力計算でのアプローチではなく、壁量計算とそれに基づいた偏心率を利用しますので構造の専門家でなくても大丈夫です。
試験は難しいですか
終了考査はあくまで講習内容が理解出来たかを確認する為のものですので、講習を聞いていただければ決して難しい内容ではありません。
曵き家などの事も教えてもらえますか
授業時間に限りがありテキストのすべてを詳細に説明はできませんが、当日配布する再築ガイドラインで曵き家などの事に関しても説明がされています。
耐震に関してしか学べないのですか
伝統再築士は全国古民家再生協会連絡会議が平成25年度設置した再築基準検討委員会の答申を元に、今年度耐震基準をガイドラインとしてまとめ創設された新しい資格です。
平成26年度は伝統構法の断熱に付いて委員会が設置されており来年2月の発表にむけ基準がまとめられています。断熱の基準が発表されれば伝統再築士がその基準に従い改修を担っていきます。資格者は毎年新しい情報を受け取る事が可能ですので将来性のある資格です。